BtoBのオウンドメディア大全|事例、成功方法、注意点も解説
「BtoBのオウンドメディアは本当にリード獲得や売上につながるのか」「始めたいけれど何から手を付ければいいのか分からない」「オウンドメディアの制作や運用はどんな会社に依頼すればいいのかを知りたい」、と思っている企業の担当者の人などもいると思います。
BtoBのオウンドメディアは、目的や役割、運用方法を正しく理解せずに始めてしまうと、時間やコストをかけても成果につながらない可能性があります。
そこでこの記事では、BtoBオウンドメディアの現況やメリット、課題、手順、注意点を体系的に解説します。成功事例や成果を出す方法についても詳しく解説するので参考にしてください。
BtoBにおけるオウンドメディアの現況
まず、BtoB企業においてオウンドメディアがどれほど活用されているのかや、企業がどんな意識を持っているのかを、調査データをもとに現況を整理します。
「BtoBマーケティング担当者を対象にオウンドメディアについてアンケート」を見ると、BtoB企業の約4割がすでにオウンドメディアを運営しており、さらに「現在は運営していないが検討している」層を含めると、約6割の企業がオウンドメディア運営に前向きであることが分かっています。BtoB領域においてもオウンドメディアが一般的なマーケティング施策として定着しつつある状況がうかがえます。
一方で、2023年の「オウンドメディア」に関する調査結果では、運営状況に課題を抱える企業が少なくないことも明らかになっています。「現在も通常運用している」と回答した企業は73.0%あるものの、「過去に運営していたが現在は運営していない」が7.7%、「メディアはあるが更新されていない」が19.3%と、休眠状態のオウンドメディアが約3割存在しているのが実情です。
また、「自社のオウンドメディアへの満足度」に関しては、「満足している」「やや満足している」を合わせると6割以上にのぼる一方で、「どちらともいえない」と回答した企業も約3割を占めています。これは、明確な成果や手応えを得られていない企業が多いことを示しています。
BtoBのオウンドメディアのメリット
では、BtoB企業がオウンドメディアを運用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
リード獲得につながる
BtoBのオウンドメディアを活用することで、安定したリード獲得につながります。BtoBでは検討期間が長いため、情報収集段階から有益なコンテンツを提供することで、見込み顧客と継続的な接点を持つことができます。
例えば、検索ニーズに合った課題解決型の記事を発信することで、短期的には資料請求や問い合わせを獲得できますし、中長期的には指名検索や商談化につながるケースも少なくありません。
実際、弊社がオウンドメディアの支援を行ったビーモーション様では、オウンドメディアの記事を読んだという問い合わせが月間10件以上出てきています。
広告費に依存しない集客基盤を構築できる
BtoB企業はオウンドメディアによって、広告費に依存しない集客基盤を構築できます。オウンドメディアで検索ニーズに合ったコンテンツを継続的に発信することで、検索からの自然流入が積み上がり、広告を出稿し続けなくても見込み顧客を集客できるようになります。
広告の場合、出稿を停止すると同時に集客効果も止まってしまいますが、オウンドメディアの記事は一度公開すれば検索結果に表示され続け、中長期的に安定したアクセスとリード獲得を行ってくれます。
弊社のお客様では、オウンドメディアの成果が出るまでは広告を利用し、流入が取れるようになってきたら広告費を減らしたり止めたりといったお客様がいらっしゃいます。
資産として蓄積される
BtoBのオウンドメディアは、価値を生み出す中長期的な資産となります。広告やSNS投稿、外部メディアへの記事掲載などは、制作や配信にコストをかけたとしても掲載期間が終了すれば効果が失われるうえ、コンテンツの管理や権利はプラットフォーム側に帰属するケースが一般的です。そのため、資産として残りにくいという側面があります。
一方でオウンドメディアは、自社が主体となってコンテンツを管理・運用できるため、制作した記事やノウハウはすべて自社の資産として蓄積されていきます。また、オウンドメディアに蓄積されたコンテンツは営業活動や採用活動、展示会後のフォローに活用できますし、製品説明や技術解説、事例紹介といった記事は営業資料の補足として活用できます。
競合との差別化ができる
BtoBのオウンドメディアは、競合との差別化を図る有効な手段です。
自社ならではの知見やノウハウ、事例、専門的な解説を発信することで、他社にはない独自の価値をユーザーに提供できます。製品・サービスのスペックや価格だけでは差がつきにくいBtoB市場において、「この分野ならこの会社」と想起される存在になることは大きな強みです。
見込み客が想起するあらゆる検索において自社を表示することで、「この課題について幅広く、かつ深い知識を持つ信頼できる企業」という印象を与えることができるでしょう。
採用やブランディングにも活用できる
BtoB企業のオウンドメディアは、採用活動やブランディングにも活用できます。
オウンドメディアで事業内容や技術力、社員の取り組み、企業としての考え方などを発信することで、求職者や取引先に対して企業の価値観や強みを伝えることができます。単なる会社概要だけでは伝わりにくい「どんな会社なのか」「どんな姿勢で事業に向き合っているのか」を可視化できるのです。
その結果、企業への共感や信頼が高まるとともに、採用のミスマッチ防止や企業ブランドの向上につながるのです。
リードの育成ができる
BtoBのオウンドメディアを活用することで、リードを育成することができます。
BtoBの購買プロセスでは、短期間で意思決定が行われることは少なく、企業や担当者との接点を継続的に持つことが重要になります。オウンドメディアでSEOを意識した記事を制作し、それを起点にメルマガ配信やSNSでの発信を行うことで、見込み客との接触頻度を高め、自然な形で関係性を深めることが可能です。
例えば、検索経由で記事に訪れたユーザーがすぐに問い合わせに至らなかった場合でも、関連記事の回遊やメルマガ登録、SNSフォローといった次の接点から、より興味・関心を深めることができます。実際、弊社のお客様でも、「比較サイト 作り方」という検索でコラムを読んでいたけれども、「比較サイト 制作会社」という検索でも表示されていたので問い合わせをいただいたことがあります。
BtoBのオウンドメディアの課題
BtoBのオウンドメディアにはメリットが多いですが課題もあります。
上の調査結果によると、オウンドメディアの「運営停止の理由」として以下のような課題が挙げられています。
| 運営停止の理由 | 割合 |
|---|---|
| 自社の運営担当者がいなくなった(運用リソース不足) | 54.3% |
| SEO対策がうまくいかなかった | 35.8% |
| リード(問い合わせ)獲得数が少なかった | 33.3% |
それぞれについて解説します。
リソースがかかる
BtoBのオウンドメディア運営は、一定のリソースがかかる点が大きな課題です。
BtoB領域のオウンドメディアでは、専門性の高いコンテンツを継続的に発信する必要があり、企画・取材・執筆・編集・SEO対策・分析改善まで多岐にわたる工程が発生します。そのため、人的リソースや時間、ノウハウが不足している企業ほど運用負担が大きくなりやすいです。
社内の限られた人員で対応しようとすると、通常業務を圧迫し、更新頻度が落ちてしまうケースも少なくありません。その結果、「記事はあるが成果につながらない」「運営が止まってしまう」といった状況に陥ることもあります。
SEOのノウハウが必要
BtoBのオウンドメディア運営では、SEOに関する専門的なノウハウが不可欠です。
BtoB領域では情報収集に検索エンジンを活用する担当者が多く、検索結果で上位に表示されなければ自社の存在自体に気づいてもらえません。そのため、検索意図を踏まえたキーワード選定や記事構成、内部リンク設計、定期的な分析・改善といったSEO施策が求められるのです。
SEOのノウハウがあれば、検討初期から比較検討段階まで幅広い検索ニーズを捉え、安定した集客が可能になるので、SEOの基礎から運用・改善ノウハウまでを理解しておかなくてはなりません。
利益につなげられない可能性がある
BtoBのオウンドメディアは、運営を行っても利益につながらない場合があることも課題です。
実際に、オウンドメディアについての調査・分析ではオウンドメディア経由の売上が会社全体の売上の10%未満にとどまっている企業が13.6%に上るという結果もあり、事業成果に十分結びついていないケースがあることがわかります。
また、別の「オウンドメディア」に関する調査結果によると、「オウンドメディア運営の課題」としては「リード(問い合わせ)があっても成約につながりづらい」が44.3%で最も多く、次いで「リード数が少ない」が37.3%、「リード対応に営業の稼働コストがかかる」が34.0%と続いています。この結果からも、集客はできても商談・受注まで結びつかない企業が一定いることが分かります。
このように、BtoBのオウンドメディアではアクセス数や問い合わせ数だけを追っていると利益に直結しない可能性があり、売上につなげるためには戦略的な運用が不可欠です。
BtoBのオウンドメディア成功事例7選
では、BtoBのオウンドメディアでどのような成果を出すことができるのか、実際の事例を紹介します。
1.AIサービスへの問い合わせを大きく増やした事例
接客・面接など対面のAIサービスを提供している株式会社ビーモーションは、サービスページではなくオウンドメディアを起点とした施策により、問い合わせ数を大きく伸ばしました。Webサイトからの受注がほとんどない状況を課題に、SEOを軸とした改善に着手。内部対策に加え、ニーズの高いキーワードやトレンドを踏まえたコラム記事を継続的に制作しました。
オウンドメディアでは単なる情報提供にとどまらず、自社の強みや活用シーン、運用支援力といった訴求ポイントが自然に伝わる構成設計を重視。あわせてサービスサイトもリニューアルし、オウンドメディアからの流入を受け止める導線を最適化しました。
その結果、CV率が向上し、月3本の記事更新を続けることで月間約20件の問い合わせ獲得を実現しました。この事例は弊社が関わった事例です。
2.ニッチな工業系業界誌の事例
ポンプメーカーである株式会社エイチツーが運営する「流体技術マガジン」は、ニッチな工業系業界におけるBtoBオウンドメディアの成功事例です。
「流体技術」という広いテーマを軸に、専門的でありながら身近さも感じられる切り口で情報を発信。技術解説だけでなく、失敗談や挑戦のプロセスといったリアルな内容を積極的に共有することで、同業者やエンジニアの共感を獲得しています。
また、編集やデザインを社内メンバーが持ち回りで担当し、「工業系=堅い」というイメージを覆すおしゃれな誌面づくりも差別化につながっています。毎日配信するメールマガジンを起点にコンテンツを蓄積し、展示会では製品ではなくマガジンを前面に出すことで注目を集め、名刺獲得からファン化へとつなげる仕組みを構築しています。
参考:https://note.com/cm_academy/n/n4dea583adb8d
3.脱炭素ソリューションにおける事例
三井物産が運営するBtoBオウンドメディア「脱炭素ソリューション Green&Circular」は、脱炭素領域における情報発信とリード獲得を両立した成功事例です。
三井物産グループが提供する脱炭素ソリューションが複数のWebサイトに分散し、ユーザーが必要な情報にたどり着きにくいという課題がありました。そこで、関連するソリューション情報をひとつのオウンドメディアに集約。
ターゲットを明確化したうえで、認知・興味関心・比較検討・問い合わせというマーケティングファネルを意識した導線設計を実施しました。競争の激しいキーワードで検索上位を獲得し、毎月安定してオウンドメディア経由の問い合わせを生み出しています。
参考:https://www.advertimes.com/20230915/article433265/
4.コンサルティング会社の事例
フロンティア・マネジメント株式会社が運営する「Frontier Eyes Online」は、専門性と独自性を両立したBtoBオウンドメディアの例です。M&Aや危機管理、経営改革などの専門領域を、経営陣や社員自らが執筆し、実務に基づく知見を発信しています。
特に特徴的なのが、担当領域をあえて越境する連載企画です。文学や歴史と経営を結びつけたコンテンツは新鮮さがあり、顧客からも高く評価されています。連載形式を採用することで執筆負担を抑えつつ継続的な発信を実現し、月10本以上の記事を安定的に公開。専門企業ならではの視点で、顧客との信頼関係構築に成功しています。
参考:https://adv.asahi.com/series/commentary/15270148
5.介護×シフト管理ツールのニッチな領域の事例
インフォコムが運営するBtoBオウンドメディア「介護の人事労務ナビ」は、介護業界の人事労務というニッチな領域で成果を上げた事例です。
専門家監修による信頼性の高いコンテンツを高速で蓄積し、SEOを軸に潜在層へ継続的にリーチ。本格運用開始から約1年でホットリード数は10倍に成長し、広告と比べて低コストで高い成果を実現したとのことです。1人運用でも回せる体制構築と、コンテンツからのリード獲得設計が成功の鍵となっています。
参考:https://webtan.impress.co.jp/e/2024/07/12/47206
6.BtoB向けIoT機器製造業の事例
AMAIZIN事業グループが支援するBtoB向けIoT機器製造業のオウンドメディアでは、月間5万PVを獲得しながらも問い合わせは月11件に留まっていました。
Sales Promotion DX CompanyのPXC株式会社と連携し、ターゲット層に合わせたキーワード戦略の見直しと問い合わせ導線の最適化を実施。さらにホワイトペーパーを活用した接点設計により、PVは10万、問い合わせ数は月42件へと4倍に増加し、質の高い潜在顧客の獲得に成功したとのことです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000210.000042827.html
7.DX推進企業がメディアを回復した事例
モンスターラボが運営する「モンスターラボ DXブログ」は、検索順位低下によりリード獲得数が大きく落ち込む局面を経験しました。そこで、社内の専門家や経営層を巻き込んだ体制に刷新し、事例を軸にした独自性の高いコンテンツ制作へ転換。
さらに、文字数の最適化やユーザー行動分析を踏まえたリライトを実施した結果、主要キーワード「DX」で検索1位を回復し、1年でPV数約3倍、資料ダウンロード数5.2倍を達成したそうです。SEOと自社の強みを両立させた好例です。
参考:https://webtan.impress.co.jp/e/2023/02/02/44144
BtoBのオウンドメディアを始めるまでの手順
BtoBのオウンドメディアを始める際には、どのような手順で行えばよいのでしょうか。
目的を定める
BtoBのオウンドメディアを作って運用する前に行うべきなのが「目的の明確化」です。
目的が曖昧なまま運営を始めてしまうと、コンテンツの方向性が定まらないですし、評価指標も設定できないため成果が出ているのか判断できなくなります。その結果、更新が止まってしまったり、形だけのメディアになってしまったりといったことが起こるリスクがあります。
「リード獲得」「商談創出」「サービス理解の促進」「ブランディング」「採用強化」など、オウンドメディアで達成したい目的を明確にすることで、ターゲットや扱うテーマ、KPIが整理され、戦略的なコンテンツ制作が可能になるでしょう。
ターゲット設定
次に、オウンドメディアのターゲット設定を明確にしていきます。誰に向けたメディアなのかを定めなければ、発信するコンテンツの内容やキーワード、訴求ポイントがぶれてしまい、見込み顧客に刺さる情報を届けられないでしょう。BtoBでは意思決定に関わる立場や課題が多様なため、ターゲットを具体化することが成果につながります。
ターゲットを設定する際には、業種・企業規模・職種・役職といった属性だけでなく、「どのような課題を抱えているのか」「どの検討フェーズにいるのか」まで落とし込むことが重要です。
ペルソナを具体化することで、読者のニーズに合ったコンテンツ設計ができ、オウンドメディアの成果を最大化することができるでしょう。
コンテンツ方針策定
ターゲットを定めたあとは、オウンドメディア全体のコンテンツ方針を策定します。
コンテンツ方針とは、「どのようなテーマを」「どのレベル感で」「どの検討フェーズの読者に向けて発信するのか」を明確にすることです。方針が定まっていないと、記事ごとに内容やトーンがばらつき、メディアとしての一貫性が失われてしまいます。
一次情報はどのように扱うか、事例やデータをどの程度盛り込むか、SEOを意識した構成にするかなども事前に整理しておくことが重要です。また、トンマナや表記ルール、専門用語の使い方などを統一しておくことで、読みやすく信頼性の高いオウンドメディアを構築できるでしょう。
制作・運用体制の構築
次に、オウンドメディアの制作を誰が行うかを決めるとともに、公開後の運用体制の構築を行います。オウンドメディアは立ち上げて終わりではなく、継続的な改善と運用が成果を左右します。そのため、企画立案、記事制作、編集・校正、SEO対策、効果測定といった各工程を誰が担当するのかを明確にしておくことが重要です。
すべてを社内で完結させるのか、外部の制作会社やライターに委託するのかによって、必要なリソースや進行フローは大きく変わります。自社の人員や専門性を踏まえたうえで、無理なく継続できる体制を構築することで、運営停止のリスクを抑え安定したメディア運営につなげることができます。
オウンドメディアの制作や運用を外注することもあると思いますが、代行会社については以下の記事で解説しています。
キーワード選定
制作・運用体制を整えたあとは、どのような検索を行うユーザーに対して記事を作るかを左右する「キーワード選定」を行います。キーワード選定では、ターゲットがどのような課題や疑問を持ち、どんな言葉で検索しているのかを把握することが重要です。
BtoBの場合、情報収集段階の「課題認識系キーワード」から、比較・検討段階の「サービス・ソリューション系キーワード」まで幅広く存在するため、検討フェーズに応じたキーワード設計が求められます。
検索ボリュームだけで判断するのではなく、自社の強みや提供価値と合致しているか、競合性や上位表示可能性、将来のリード獲得可能性といった視点で選定することで、SEO効果とビジネス成果の両立が可能になります。
制作・公開・運用
キーワードとコンテンツ方針が定まったら、実際に記事の制作・公開・運用を行っていきます。
制作段階では、選定したキーワードの検索意図を正確に捉え、読者の課題を解決できる構成・内容で記事を作成することが重要です。BtoBでは専門性や信頼性が求められるため、一次情報や具体的な事例、データを盛り込み、わかりやすく解説することが成果につながります。
公開後は、検索順位や流入数、リード獲得状況を定期的に確認し、リライトや情報更新を行います。検索ニーズや競合状況は変化しますし、継続的な改善を行うことでオウンドメディアを中長期的に成長させることができます。
BtoBだからこその注意点
BtoBは、意思決定の進み方や情報の使われ方に特徴があるため、運営にあたって注意すべきポイントがあります。こういった点をあらかじめ把握しておきましょう。
BtoCとの違い
BtoBのオウンドメディアを運営するうえでは、BtoCとの違いを理解しておくことが重要です。BtoC向けメディアでは、感情や直感に訴える訴求が有効なケースも多い一方、BtoBでは情報の実用性や論理性、再現性が重視されます。
また、BtoBの読者は業務上の課題解決を目的として情報を探していることが多く、「自社にとって役立つか」「導入後にどのような効果が見込めるか」といった視点でコンテンツを評価します。そのため、表面的なメリット訴求や抽象的な表現だけでは不十分で、具体的な活用シーンや根拠を示した説明が求められます。
検討期間が長い
BtoBでは、商品やサービスの導入にあたって慎重な検討が行われるため、検討期間が長くなる傾向があります。そのため、オウンドメディアでは短期的な成果だけを求めるのではなく、長期的な視点でコンテンツを設計することが重要です。
また、リードを獲得してからすぐに商談につながるとは限らないため、ナーチャリングを前提とした運用が欠かせません。メールマガジンやホワイトペーパー、関連コンテンツの提供などを通じて関係性を深めていくことで、検討が進んだタイミングで選ばれやすくなるでしょう。
意思決定者・関与者が複数いる
BtoBでは、商品やサービスの導入にあたって、意思決定者だけでなく利用部門や管理部門など、複数の人物が関わるケースが一般的です。そのため、オウンドメディアでは特定の担当者だけでなく、さまざまな立場の読者を想定した情報提供が求められます。
例えば、現場担当者向けには具体的な活用方法や運用イメージ、管理職や決裁者向けには導入効果やコスト面、リスクなどを整理したコンテンツが有効です。複数の関与者それぞれの関心に応える情報を用意することで、社内での検討や合意形成を後押ししやすくなるでしょう。
商品・サービスがわかりにくい
BtoBの商材は、仕組みが複雑だったり専門用語が多かったりと、内容が分かりにくいケースが少なくありません。そのためオウンドメディアでは、図解や具体例を用いながら、できるだけ分かりやすく説明することが重要です。
機能や仕様をそのまま伝えるのではなく、課題解決の流れや活用シーンを交えて解説することで、読者は自社に導入した際のイメージを持ちやすくなるでしょう。商品・サービスの理解を深める役割をオウンドメディアが担うことで、検討のハードルを下げ、次のアクションにつなげやすくなります。
語り口やトンマナ
BtoBのオウンドメディアでは、語り口やトンマナにも注意が必要です。過度にカジュアルな表現や煽りの強い訴求は、専門性や信頼性を損なう可能性があります。
読みやすさを意識しつつも、論理的で落ち着いたトーンを保ち、根拠や具体性のある表現を心がけることが重要です。一貫した語り口やトーンで情報発信を行うことで、メディア全体の信頼感が高まり、読んでもらえるでしょう。
BtoBのオウンドメディアで成果を出す方法
では、BtoBのオウンドメディアで成果を出すためのコツなどはあるのでしょうか。ここでは抑えておくべきポイントを解説します。
ドメイン力を高める
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、ドメイン力を高めることが重要です。検索エンジンは、ドメイン全体の信頼性や権威性が高いサイトほど、コンテンツを正しく評価しやすく、上位表示されやすい傾向があります。
実際、上で紹介した調査によると、調査内でのランキング上位のオウンドメディアの約8割はドメインランク50以上であり、平均記事数は462記事、最低でも270記事以上を保有していることが明らかになっています。このことから、良質な被リンクを得るとともに、一定量の質の高いコンテンツを継続的に蓄積することが重要であるとわかります。
だからこそ、オウンドメディアは新規ドメインで立ち上げるよりも、企業の公式サイト配下に設置し、既存のドメイン評価を活かすのがよいでしょう。企業ドメイン内で専門性の高い記事を積み上げていくことで、検索エンジンからの信頼性が向上し、安定した上位表示とリード獲得につながります。
CTAを有効に設置する
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、CTAを有効に設置することが重要です。
BtoBのオウンドメディアは、単にアクセスを集めるだけでは成果につながらず、最終的に問い合わせや資料請求、商談といった次のアクションへ誘導する必要があります。そのため、読者の検討段階やニーズに合わせたCTAを適切に配置することで、コンバージョン率を高めることができます。
前章と同じ調査では、ランキングトップ10の1記事あたりの平均CTA数は3.4個という結果になっています。CTAは多すぎず少なすぎず、読者が次に取るべき行動を迷わず判断できる程度に設置することが重要だといえるでしょう。
ニーズの高いキーワードから選定
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、ニーズの高いキーワードから選定して記事を作成していくことが重要です。
用語の意味や概要だけを調べている段階のキーワードなど、ニーズの低いユーザーを集めても問い合わせや商談といった成果にはつながりにくいです。一方で、課題解決や導入検討に近いキーワードは検索意図が明確であり、アクションに直結する情報を求めているユーザーが多くなります。
ニーズの高いキーワードから優先的に記事を作成することで、オウンドメディアからの成果を得られる可能性を高めることができます。
信頼性の高いソースを利用する
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、信頼性の高いソースを利用することが重要です。
検索エンジンは、情報の正確性や根拠が明確なコンテンツを高く評価する傾向があります。特にBtoB領域では、意思決定に関わる情報を扱うことが多いため、信頼できるデータや公的機関・業界団体などのソースを用いているかどうかがSEO評価に影響します。
根拠のない主張や出典不明の情報が多い記事は、検索エンジンから評価されにくいだけでなく、ユーザーにも不安を与えてしまいます。一方で、公的機関や業界団体、調査データなど信頼性の高いソースを用いることで、情報の説得力が増し、ユーザーからの信頼を獲得しやすくなります。その結果、E-E-A-Tの向上にもつながり、SEO評価と成果の両面でプラスに働くのです。
専門家による監修・執筆を行う
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、専門家による監修・執筆を行うのも有効です。
BtoB領域では専門性の高いテーマを扱うケースが多く、内容の正確さや実務レベルでの妥当性が強く求められます。さらに、検索エンジンは誰がその情報を発信しているのかという点も評価要素としており、専門知識や実務経験を持つ人物が関与しているコンテンツは、E-E-A-Tの観点から評価されやすくなります。
また、専門家が監修・執筆した記事は、ユーザーにとっても信頼性が高く、「このメディアの情報なら安心できる」と感じてもらいやすくなります。その結果、滞在時間や再訪率の向上につながり、問い合わせや商談といった成果創出にも好影響を与えるでしょう。
独自性の高い情報を発信する
BtoBのオウンドメディアで成果を出すためには、独自性の高い情報を発信することが重要です。BtoB領域では、同じような内容の記事が多く存在するため、他社と差別化できる情報でなければ、検索エンジンにもユーザーにも選ばれにくくなります。
検索エンジンは、既存情報の寄せ集めではなく、独自の視点や一次情報を含むコンテンツを高く評価する傾向があります。自社の実績データ、現場で得た知見、独自調査の結果などを盛り込むことで、SEO評価の向上につながるでしょう。
その他のマーケティング手法も利用する
BtoBのオウンドメディアで成果を最大化するためには、SEOだけに依存せずその他のマーケティング手法も併用することも有効です。こういった手法の活用方法次第では、オウンドメディアで作成したコンテンツをより多くの見込み顧客に届けることができます。
例えば、SNSを活用して記事の情報を発信することで、検索流入以外の接点を増やすことが可能です。また、メールマガジンで既存リードに有益な記事や最新コンテンツを届けることで、継続的な関係構築につながります。さらに、記事内容を再編集してホワイトペーパーとして提供すれば、リード獲得の強化にもなります。
このように、SNS、メールマガジン、ホワイトペーパー、広告などを組み合わせて活用することで、オウンドメディアの価値を高め、BtoBにおける成果創出を加速させることができるでしょう。
営業・マーケティング部門と連携する
成果を出すためには、営業・マーケティング部門と連携して運用することも大事です。オウンドメディアは集客施策であると同時に、商談創出や受注にも影響するため、部門間で目的や役割を共有する必要があります。
例えば、営業部門が現場で把握している顧客の課題やよくある質問をコンテンツに反映することで、よりニーズに合った記事を作成できます。また、営業やマーケティング部門が得ているトレンドや競合の動向、顧客から増えている相談内容などを共有してもらうことで、タイムリーで成果につながりやすいコンテンツを企画できるでしょう。
さらに、オウンドメディア経由で獲得したリードの反応や商談化状況をフィードバックしてもらうことで、記事テーマやCTAの改善にもつなげることが可能です。
まとめ
BtoBのオウンドメディアは、正しく設計・運用することで、リード獲得や売上創出、ブランディングまで幅広く貢献する強力なマーケティング施策です。一方で、目的やターゲットが曖昧なまま始めてしまうと、時間やコストをかけても成果につながらず、運営が止まってしまうリスクもあります。成果を出すためには、目的の明確化を起点に、ターゲット設定、キーワード設計、CTA設計、そして継続的な改善を行うことが不可欠です。
私たちCINACAでは、お客様のビジネスや強み、競合環境を丁寧にヒアリングしたうえで、成果につながるオウンドメディア運用を一気通貫で支援しています。上位表示の可能性とユーザーニーズの双方を踏まえたキーワード選定を行い、SEOや内部・外部リンクの最適化まで含めた設計を実施。さらに、検索エンジンだけでなくユーザーからも評価されることを重視し、論文や公的データなどを引用した信頼性の高い記事制作を行います。
また、公開後も数値計測をもとにリライトや導線改善を継続し、メディアを「育てる」運用を徹底しています。これまで多くのオウンドメディアを成功に導いてきたノウハウを活かし、貴社のオウンドメディアを事業成果へとつなげてまいります。ぜひお問い合わせください。
サービス紹介
アルゴリズムに適した効果的な施策を提案
自然検索からの流入を最大化します。 基本的な施策だけでなく、最新の検索エンジンのアルゴリズムに則した提案をします。 10年以上対策を行ってきた豊富な経験から、独自の施策で課題を解決します。
SEOに効果的なライティングを提供
Webコンテンツではテキストが重要となります。中身のないコンテンツではアクセスと問い合わせを得られません。SEOに準拠したライティングを行うことでアクセスを集めながら、コンバージョンを得られるコンテンツを作成いたします。