SEOを業務委託するメリットとは?委託先の見極め方と注意点も解説

SEO対策に取り組みたいけれど社内に十分なリソースがなくて困っている方や、外部に依頼したいけれど企業に依頼するとコストが高すぎると悩んでいる方も多いと思います。また、SEOで本当に成果が出るのか疑問に感じている人もいるはずです。はたして、SEOを業務委託することで成果をあげることはできるのでしょうか。
この記事では、SEOの業務委託のメリットやデメリットを解説するとともに、費用相場や委託先の選び方を解説します。契約前に確認すべきポイントや運用時に気を付ける点まで詳しく説明するので参考にしてください。
SEOの業務委託とは
SEOの業務委託とはどのようなサービスなのでしょうか。
SEOの業務委託の意味
SEOの業務委託とは、自社のWebサイトの検索順位を向上させるための施策を、業務委託契約を行った外部の専門業者やフリーランスに依頼することです。
SEO(検索エンジン最適化)の施策には、専門的な知識や最新の検索アルゴリズムへの理解が求められます。そのため、社内にノウハウがない場合やリソースが不足している場合に、外部のプロフェッショナルに依頼することで、効率的かつ効果的にWebサイトのパフォーマンスを向上させることができます。
業務委託は、必要な業務のみを専門家に外注できる柔軟な契約形態であり、正社員のような雇用関係を結ぶ必要がありません。そのため、人件費の抑制やリスクの軽減につながります。さらに、正規の企業契約に比べてコストを抑えられるケースも多く、コストパフォーマンスに優れた選択肢として注目されています。
業務委託と社内運用との違い
SEOを業務委託する場合と社内で運用する場合の違いとはどのようなものでしょうか。業務委託と社内運用の最大の違いは、リソースの使い方と専門性の深さにあります。
業務委託では、専門知識を持った外部のプロフェッショナルに依頼するため、短期間で高い成果を得やすいといえます。一方、社内運用では自社のスタッフがSEOに関わるため内部の事業理解を活かしやすく、長期的なノウハウ蓄積が可能です。ただし、自社運用ではSEOに関する知識やスキルを持った人材の確保・育成が不可欠であり、そのための時間やコストがかかるという課題があります。
どちらの方法にも一長一短があり、自社の目的や状況に応じて選択することが重要です。
委託できるSEO業務の範囲
では、SEOの業務において、どういった作業を業務委託に任せることができるのでしょうか。
SEOの業務範囲は広く、調査・分析から施策実行、レポーティングまで多岐にわたります。具体的には、キーワード調査、競合分析、コンテンツ企画、記事制作、内部対策、外部対策、効果測定などがあります。こういった作業のほぼすべての業務を業務委託に依頼することが可能です。
自社にSEOの専門知識や十分なリソースがない場合でも、外部の専門家に業務を委託することで、効果的な施策をスピーディーに実行することができます。検索アルゴリズムの変化に対応した戦略の見直しや技術的な内部施策、ナチュラルな被リンク獲得の支援なども随時行ってもらえるでしょう。
SEOの業務委託のメリット
SEOを業務委託に依頼することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
成果につながるノウハウを活用できる
SEOを業務委託に依頼することで、成果につながる実践的なノウハウを活用することができます。数多くのクライアントを支援してきたSEO専門の業務委託は、効果的な知識や経験を豊富に持っています。そのため、自社だけでは気づきにくい課題の発見や、効果的な施策の立案・実行が可能となります。
専門家ならではの知見を活かすことで、より短期間で成果を出しやすくなり、投資対効果の向上にもつながります。特に、自社にSEOの専門人材がいない、ノウハウがないという場合でも業務委託によって確実かつ効率的にSEO施策を進めることが可能になるでしょう。
社内リソースの節約が可能
SEO業務を外部に委託することで、社内リソースの節約が可能です。SEOは専門知識や最新の検索アルゴリズムへの理解、継続的な分析・改善作業が求められる領域であり、社内で対応しようとすると多くの時間と人員を必要とします。特にSEOに不慣れな企業では、担当者の教育や施策の検証に膨大な労力がかかることが一般的です。
しかし、業務委託によってSEOの実務をプロに任せることで、社内のマーケティングチームや他部署の負担を大幅に軽減できます。専門性の高い業務を外部に任せることで、組織全体の生産性を高めることにもつながります。限られたリソースを効率的に活用したい企業にとって、SEO業務の外部委託は有効な選択肢といえるでしょう。
企業に依頼するよりもコストを抑えられる
SEOの業務委託は、SEO専門のコンサルティング会社や広告代理店に依頼するよりも、コストを抑えられる可能性があります。
フリーランスなどの個人や小規模な業務委託に業務委託する場合は、フルサービスを提供する大手企業と比較して、単価が低いことが多いですし、柔軟な料金設定であったり必要な業務だけを依頼できたりする場合があります。
さらに、業務委託では業務ごとに契約範囲を明確に設定できるため、無駄なコストが発生しにくく、限られた予算の中でも効率よく成果を目指すことが可能です。限られた予算の中でもSEOを強化したい企業にとって、業務委託は現実的で効率的な手段といえるでしょう。
最新のSEOトレンドに対応できる
SEO対策を業務委託することで、最新のSEOトレンドに対応することが可能になります。SEOのアルゴリズムはGoogleをはじめとする検索エンジンによって頻繁にアップデートされており、最適な対策も日々変化しています。SEOの業務委託は、業界の最新情報を常に収集・分析しているので、自社で情報収集や分析を行うよりも素早く的確にトレンドに対応できます。
また、外部の専門家が実際のクライアントで得た知見をもとに、実践的で効果の高い施策を提案・実行してくれる点も魅力です。業務委託はSEO専門のコンサルティング会社や広告代理店と同じようなノウハウを持っているので、コストを抑えながら質の高いSEO施策をスピーディーに導入することが可能です。
こうしたスピード感と精度の高い対応は自社だけでは得られにくいため、SEOを成功させるうえで業務委託の活用は有効でしょう。
成果に応じた柔軟な契約ができる
SEOの業務委託では、成果に応じた柔軟な契約を結ぶことが可能です。業務委託の場合、固定報酬型だけでなく、成果報酬型や期間限定のプロジェクト契約など、企業のニーズに応じた契約形態を選べる場合があります。これにより、予算に見合った投資ができるだけでなく、成果が出なければコストがかからない契約にすることもでき、費用対効果を高めやすくなります。
たとえば、検索順位の上昇やアクセス数の増加といった成果に連動した報酬体系を選ぶことで、無駄なコストを抑えながら効果的な施策を実行できます。また、短期的な課題解決のためにスポットで依頼したり、一定期間だけ試験的に施策を実施したりと、状況に応じて契約内容を柔軟に調整できるのも大きなメリットです。
柔軟な契約形態によって、費用対効果と成果重視のSEO運用を実現することができるでしょう。
SEOの業務委託のデメリット
SEOの業務委託にはメリットも多いですが、デメリットもあります。
自社にノウハウが蓄積しにくい
SEOを業務委託する場合、自社内にノウハウが蓄積しにくいというデメリットがあります。
SEO業務を外部に委託すると、施策の立案から実行、分析までを外注先が担うため、社内の担当者が実務に関わる機会が限られてしまいます。その結果、社内でSEOの知識や経験が蓄積されづらくなり、将来的に内製化したいと考えたときに対応が難しくなる恐れがあります。
さらに、外部に依存しすぎると、担当者の異動や組織変更があった際にSEOの施策内容や意図が引き継がれず、成果の再現性が失われてしまう可能性もあります。特に、施策の背景や細かな調整内容などは、レポートだけでは把握しきれないことも多いため、細かな共有やドキュメント化などが必要です。
品質や成果にばらつきがある
SEOを業務委託する場合、成果や品質にばらつきが出やすい点がデメリットといえます。業務委託する場合には、フリーランスや小規模な会社などに依頼することになるので、担当者によってスキルに差があります。
そのため、同じようにSEO対策を依頼したとしても、施策の内容や実行力、効果測定の精度に大きな違いが出る可能性があります。特に、経験が浅い担当者や業界知識が不足している担当者の場合には、自社のビジネスモデルやターゲットユーザーに合わない施策が行われてしまうリスクもあります。
このように、SEO業務を委託する際には品質や成果にばらつきがあることを理解し、適切な業者選定を行うことが重要です。
費用対効果が見えにくい場合がある
SEO業務を外部に委託する場合、費用対効果が見えにくいことがあります。SEOの成果は「検索順位の上昇」「アクセス数の増加」など複数の要素が絡み合っており、それらが必ずしも売上やコンバージョンにつながるとは限りません。そのため、どれだけ費用をかけて、どのような成果が得られたのかを明確に評価することが難しくなる場合があります。
また、SEO施策による効果は検索順位やアクセス数の向上だけでなく、コンバージョン率やユーザーの行動にも影響するため、単一の指標だけでは費用対効果を正確に把握するのが難しいという特徴があります。特に、BtoBや高額商品のようにコンバージョンまでのリードタイムが長い業種では、投資に対するリターンを数値化しづらいケースも多くあります。
ただ、施策の目的やKPIを明確にし、業者と密に連携しながら定期的なレポートをチェックすることで、ある程度費用対効果を把握しやすくすることは可能です。
成果が得られるまでに時間がかかる
SEOを業務委託する場合、長期的な成果が得られるまでに時間がかかることを理解しておく必要があります。SEOを行って、自然検索での流入を増やすには、検索エンジンからの評価を高める必要があり、そのためには継続的なコンテンツの改善や被リンクの獲得、技術的な最適化など、複数の要素を時間をかけて積み上げていく必要があります。
たとえば、検索順位が上がるまでには数ヶ月以上かかることも珍しくなく、特に競合が多いキーワードでは1年以上の時間を要する場合もあります。そのため、SEOに即効性を期待すると、「効果が出ない」と感じて途中で施策を中断してしまうリスクがあります。
このように、SEOの業務委託では効果が出るまでに時間がかかるため、短期的な成果を求めず長期視点で取り組むことが重要です。
SEO業務委託の料金形態と費用相場
SEOの業務委託の料金形態はどのようなものがあり、それぞれどれくらいの費用が相場なのでしょうか。
料金体系の種類
SEOの業務委託においては、提供されるサービス内容や契約期間、目的によってさまざまな料金体系が存在します。主な料金体系には以下のようなものがあります。
1.月額固定報酬型
SEOの業務委託のもっとも一般的な料金形態で、月ごとに定額の料金を支払う方式です。キーワードの順位改善やコンテンツ作成、サイト改善提案、レポーティングなど、包括的な支援を受けられます。サイトの規模や目的、業界の競合状況によって対応範囲は異なりますが、継続的な施策を通じて中長期的な成果を目指すのに適しています。
このモデルの利点は、安定した支援を受けられることに加えて、定期的な改善サイクルを構築しやすい点です。たとえば、毎月のアクセス解析レポートをもとに改善提案を受けたり、検索エンジンのアルゴリズム更新に応じて柔軟に戦略を見直すといった運用が可能になります。
また、弊社も行っていますが、サイトの規模や作業内容によって稼働時間を決め、その稼働時間分の報酬を支払うという場合もあります。この場合は、時間当たりの単価×稼働時間が費用となります。
2.成果報酬型
成果報酬型は、SEOにおいてあらかじめ設定した成果が達成された場合にのみ報酬が発生する料金形態です。たとえば、特定のキーワードが検索結果の1ページ目にランクインした場合や、一定のアクセス数を超えた場合などで支払いが発生します。
この料金形態は、クライアントにとってリスクが少なく、投資対効果が明確である点が大きなメリットです。一方で、成果の定義や測定方法が曖昧だとトラブルの原因になる可能性もあるため、契約前に成果の基準を明確にしておくことが重要です。
また、SEOなどの長期的な施策では、成果が出るまでに時間がかかるため、短期間での結果を期待する場合には適さないこともあります。
3.初期費用+運用費用型
SEOの業務委託において、初期にサイト分析や戦略設計などにかかる費用を支払い、その後は月額運用費として支払いが発生する形態です。
このモデルは、SEO施策の全体設計と継続的な運用をバランス良く進めたい企業に適しています。初期費用では、キーワード調査や競合分析、サイト構造の最適化提案など、成果を出すための土台づくりが行われます。その後の運用費用で、コンテンツの更新や被リンク獲得、順位のモニタリングといった定常的な施策を実施します。
この料金形態のメリットは、初期段階でしっかりとした設計を行えるため、長期的に安定した成果が期待できる点です。また、継続的な運用によってアルゴリズムの変化にも柔軟に対応できるため、中長期での成長を目指すプロジェクトには非常に有効です。
4.スポットコンサル型
SEOの業務委託のスポットコンサル型は、必要なときにだけ専門家のアドバイスやサポートを受ける料金形態です。このモデルは、継続的な契約を結ばずに特定の課題や局面に対して短期間で専門的な知見を活用したい場合に適しています。
たとえば、サイトリニューアル時のSEOチェックや、アルゴリズムアップデートへの対応、特定の課題(インデックス未登録、順位下落など)への対処といった、一時的かつ限定的なニーズに対して利用されます。
スポットコンサル型のメリットは、必要最低限のコストで質の高いSEOノウハウを得られることです。社内に担当者がいる場合などでも、専門家の意見をピンポイントで取り入れることでより効率的な運用が可能になります。
5.コンテンツ制作代行型
コンテンツ制作代行型は、SEOに必要な記事やページの制作を専門業者が代行する料金形態です。このモデルでは、キーワード選定から構成作成、執筆、SEO最適化、場合によっては画像選定やCMSへの投稿までを一括で依頼することが可能です。特にオウンドメディア運営をしている企業や、SEOを強化したいが自社でコンテンツ制作のリソースが足りない場合に利用されます。
コンテンツ制作代行型のメリットは、専門的な知識と経験を持つライターや編集者によって、高品質でSEOに最適化されたコンテンツを安定的に供給できる点です。内部施策や外部施策などが必要なく、ピンポイントでコンテンツを作成したい場合に有効な形態です。
費用相場の目安
SEOの業務委託の費用相場の目安を紹介します。これらはあくまで弊社の感覚ですので、業務委託先によって変わってきますので注意してください。
1.月額固定報酬型
小規模な企業サイト・ローカルビジネス | 月額5万円〜15万円程度 |
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中規模のECサイトやサービスサイト | 月額15万円〜40万円程度 |
競争が激しい業界や大規模サイト | 月額50万円〜100万円以上 |
2.成果報酬型
主要キーワード1語あたり | 月額5,000円〜5万円程度 |
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複数キーワードをまとめたパッケージ型 | 月額10万円〜30万円程度 |
コンバージョンが出た場合の課金対象 | 1件あたり1万円〜数十万円 |
3.初期費用+運用費用型
初期費用 | 10万円〜30万円程度 |
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月額運用費用 | 5万円〜20万円程度(施策範囲やサイト規模によって変動) |
4.スポットコンサル型
1回あたり | 2万円〜10万円程度(オンライン相談が一般的) |
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サイト診断レポート付き | 10万円〜30万円程度 |
ワークショップ形式(社内研修等) | 20万円〜50万円程度 |
5.コンテンツ制作代行型
記事作成 | 3万円〜10万円程度/1ページ |
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サービスページ制作 | 5万円〜15万円程度/1ページ |
SEOの業務委託先の選び方
SEOの業務委託先はどのような基準で選ぶとよいのでしょうか。
実績と専門性を確認する
SEOの業務委託先を選ぶ際には、その企業や担当者の実績と専門性を確認することが重要です。SEOは一朝一夕で結果が出るものではなく、長期的な視点と専門的な知識が求められる業務です。過去の成功実績や、特定分野におけるSEOノウハウがあるかどうかを確認することで、信頼できるパートナーかどうかを見極めることができます。
実績が豊富な業者であれば、さまざまな業界や課題に対応してきた経験があり、自社の状況に適した施策を提案してくれる可能性が高くなります。具体的には、過去に対応したプロジェクト事例や、キーワード順位・アクセス数の改善結果などを提示してもらうとよいでしょう。
また、SEOは技術的な知識とマーケティングの両面が求められる分野のため、専門性も重要です。内部対策、コンテンツSEO、外部リンク対策などの分野ごとに強みを持っているかどうかや、最新のアルゴリズムに対応できているかも確認ポイントです。
対応範囲と提供サービスの内容を比較
SEOの業務委託先を選ぶ際は、それぞれが提供するサービスの内容と対応範囲を比較検討することが重要です。業者によっては、内部対策や記事作成のみに特化している場合もあれば、コンテンツ制作、外部リンク施策、サイト改善提案、アクセス解析、レポート提出までトータルで対応してくれる場合もあります。
自社が求めるのは部分的な支援であるにもかかわらず、フルパッケージしか提供していない業者を選んでしまうと、不要なコストがかかってしまう可能性があります。そのため、事前に提供内容を明確に比較し、必要な範囲と一致しているかを確認することが大切です。
コミュニケーションの質とレスポンスの速さ
SEOの業務委託先を選定する際には、コミュニケーションの質とレスポンスの速さを重視する必要があります。SEO対策は長期的かつ変化の多い施策であり、状況に応じた柔軟な対応や情報共有が欠かせません。適切なタイミングで的確なフィードバックをもらえる体制が整っていないと、施策の軌道修正が遅れ、成果にも影響を及ぼしかねません。
加えて、定期的な打ち合わせやレポート提出の頻度、担当者の対応姿勢などもチェックポイントとなります。たとえば、質問に対して曖昧な回答が多い、返信までに数日かかる、説明が専門用語ばかりでわかりにくいといった場合は、長期的なパートナーとして不安が残るでしょう。
そのため、スムーズな意思疎通と迅速なレスポンスが可能な委託先を選ぶようにしましょう。
自社との相性や業界理解の有無
SEOの業務委託先を選ぶ際には、自社との相性や業界理解があるかどうかを確認することが重要です。SEOは単に検索順位を上げるだけでなく、自社の商品やサービスの強みを的確に伝えるための施策です。そのため、自社のビジネスモデルや業界特有の用語、ユーザーの行動傾向などを正しく理解しているパートナーでなければ、意図を汲んだ施策が打てず、的外れなコンテンツやキーワード戦略に終始してしまう可能性があります。
たとえば、BtoB向けの専門性の高い業界であれば、一般的なSEOノウハウだけでは成果に結びつかないこともあります。業界用語や専門性の高い情報を正確に扱えなければ、信頼性を欠いたコンテンツとなり、ユーザー離脱の原因にもなります。自社のニーズや価値観に共感し、柔軟に対応してくれるパートナーを選ぶようにしましょう。
SEOの業務委託の流れと運用のコツ
SEOを業務委託に依頼する場合にはどのような流れになるのでしょうか。運用のポイントまでを解説します。
STEP1:現状分析と課題の洗い出し
SEOを業務委託する際の最初のステップでは、自社の現状分析と課題の洗い出しを行います。
現状を正確に把握せずにSEO施策を始めても、的外れな対策になってしまう可能性があります。自社のWebサイトの課題や現状の流入経路、コンバージョン状況を把握することで、適切なSEO戦略を立案できる土台が整います。
具体的には、主要なキーワードでの検索順位やアクセス数、ユーザーの行動傾向などをデータとして収集・分析し、どのページが成果を上げており、逆にどの部分が成果に結びついていないのかを明確にします。また、Google AnalyticsやSearch Consoleなどのツールを活用することで、直帰率や滞在時間、クリック率などの指標から、ユーザー体験や導線設計の課題も見えてきます。
STEP2:目的とKPIの明確化
SEOを業務委託に依頼し成功に導くためには、施策の目的とKPIを明確にすることが欠かせません。
目的とKPIを設定することで、SEO施策の方向性や評価基準が明確になり、業務委託先との連携や進捗管理がスムーズに進みます。これが曖昧だと、施策の成果が判断できず無駄な工数や費用が発生するリスクが高まります。目的は「問い合わせ数を増やす」「ブランディングを強化する」など企業によって異なるため、最初に具体的に言語化することが重要です。
目的が明確になったら、次にそれを達成するためのKPIを設定します。KPIは、施策の成果を数値で把握するための指標であり、例えば「特定キーワードでの検索順位を3位以内にする」「オーガニック流入を6ヶ月で30%増加させる」「SEO経由での問い合わせ件数を月50件にする」など、目的に直結した具体的な数値である必要があります。
STEP3:業者選定と初期相談
次に、業務委託業者の選定と初期相談を行います。まず業者を選定する際には、自社の目的や課題に適した専門性を持つ業者をリストアップし、その中から信頼性や実績、サポート体制などを比較検討します。
過去の成功事例や対応した業界、提供できるサービスの範囲などを調べることで、自社にマッチするかどうかを見極める材料となります。また、SEO対策は長期的な取り組みになるため、コミュニケーションがスムーズに取れるかといった点も確認しましょう。
初期相談では、自社の現状や目標、KPIなどを丁寧に伝えたうえで、業者からどのような提案がされるかを確認します。ここでのやり取りを通じて、業者の分析力や提案力、戦略の具体性を見極めることができます。
STEP4:契約締結
提案内容に問題がなければ業務委託先と契約を締結します。
契約締結のステップでは、これまでの打ち合わせ内容や提案をもとに、業務範囲や期間、費用、成果物、報告頻度などの具体的な条件を明文化し、双方が合意のうえで契約書を取り交わします。SEO施策は中長期的なプロジェクトになることが多いため、あいまいな部分を残さず、トラブルを未然に防ぐためにも細部までしっかり確認することが重要です。
特に注意すべきポイントとしては、KPIの達成基準や成果の評価方法、契約解除の条件、守秘義務、著作権の取り扱いなどがあります。
STEP5:キーワード選定とSEO戦略の立案
SEOの業務委託契約が完了すると、実際に施策を行っていくことになります。まずはキーワードの選定が重要になります。
キーワード選定は、SEO戦略の成否を左右する最も重要な工程のひとつです。自社の商品・サービスに関連するキーワードの中から、ユーザーの検索意図を的確に捉え、かつビジネス目標に直結するものを選び出す必要があります。業務委託先と協力しながら、自社のターゲットユーザーやペルソナを明確にし、それに基づいて検索傾向や競合の状況を分析します。
このキーワード選定をもとに、どのページにどのキーワードを割り当てるかというキーワードマッピングを行い、コンテンツ制作やサイト構造の最適化といったSEO戦略を考えていきます。
STEP6:施策実施
施策実施の段階では、これまでに立案したSEO戦略やサイト改善方針に基づいて、具体的な作業に着手していきます。
主な施策には、コンテンツの新規作成や既存ページのリライト、メタタグの最適化、内部リンクの強化、サイト構造の見直し、ページ速度の改善などが含まれます。また、技術的なSEO(テクニカルSEO)として、モバイル対応の強化やクローラビリティの改善、URL正規化、構造化データの実装といった作業も並行して進める必要があります。
加えて、被リンク対策もこの段階で重要な役割を果たします。高品質な外部サイトからのリンク獲得を目指し、業界内での露出やPR、コンテンツ連携などを積極的に行うことで、サイト全体の評価を高めていきます。
SEOの業務委託の成功事例
SEOを業務委託に依頼することでどのような成果が得られるのでしょうか。ここでは、私が業務委託として関わったクライアント様の成功事例を紹介します。
コスト削減と成果達成
SaaSサービスを提供するB社様に対して、SEOコンサルとSEO施策実施、記事作成を行いました。
当初は「固定費用型」で現状分析、SEO戦略の立案、内部施策実施、外部施策実施などを行いました。その後、「運用費用型」で分析やレポートなどに必要な稼働分に加えて、記事制作の費用をいただく契約へと変更しました。
サービスサイトの内容が薄く、コンテンツが少ないことで、流入がほとんどなかったのですが、内部施策や外部施策を行うとともに、記事コンテンツで流入を多く獲得しました。AI関連のサービスなどを提供しており、1件成約を得られることで数百万円が得られるのですが、施策開始から1年で月に10件程の問い合わせが入るようになりました。
現在では広告費を抑えながらも、コラム作成を続けることでより成果を高めています。
まとめ
SEOは業務委託することで、コストを抑えながらもSEOのプロのノウハウを利用することができます。企業の場合には施策の実行に入るまでにスケジュール調整や社内手続きに時間を要し、スピード感に欠けることも多いですが、業務委託であれば即座に対応してもらうことができます。成果の出るSEO施策を、スピード感を持って行いたい場合には業務委託を利用するのがおすすめです。
私たちCINACAは業務委託契約でSEOの支援を行っています。SEOはもちろんのこと、Web制作やライティングのスキルがある担当者が現状分析、施策の提案、実施までトータルに対応します。Webサイトの全体の知識があるからこそ、より俯瞰的に必要な施策を洗い出せるとともに、迅速に施策の実施が行えます。これまでに多くの実績も出していますので、ぜひお問い合わせください。
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