オウンドメディアの効果・メリットは?成果までの期間、効果を高める方法も

「オウンドメディアを始めて本当に効果あるの?」「運用しているけど成果が出ていない」「どうやって効果を出すか知りたい」という悩みを持っている人も多いと思います。
オウンドメディアは中長期的な成果が期待できる反面、目的やKPIが曖昧なまま運用を続けていると、効果を実感しづらくなってしまいます。また、オウンドメディアで効果を出すためには、抑えるべきポイントがあります。
そこでこの記事では、オウンドメディアの具体的な効果や、どのように成果を測定・最大化していくべきかについて、実例を交えながら詳しく解説していきます。
オウンドメディアとは?
オウンドメディアとはどのようなメディアのことなのでしょうか。まずはその定義と目的を解説します。
オウンドメディアの定義と種類
Wikipediaによると、オウンドメディアは「自社発行の広報誌やパンフレット、カタログ、インターネットの自社ウェブサイト・ブログなど、企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体を指す」とされています。
つまり、オウンドメディアは企業や個人が自らの管理下で所有・運営するメディアの総称のことです。代表的なものとしては、自社の公式ブログ、コーポレートサイト、製品・サービス紹介ページ、メールマガジン、さらには採用サイトやブランド専用の特設ページなどがあります。
これらはすべて、企業が自由にコンテンツを制作・更新できる点が共通しており、メッセージやブランドイメージを一貫して発信できるという強みがあります。また、外部のプラットフォームに依存せず、自社の戦略に合わせて設計・運用できるため、長期的なマーケティング資産としても機能します。
オウンドメディアは大きく分けて、ブログやコラムなどの「情報発信型」、LPやブランドサイトなどの「商品・サービス訴求型」、ホワイトペーパーやメルマガなどの「リード獲得・育成型」など、目的に応じた形態があります。これらをうまく組み合わせることで、ユーザーの関心を喚起し、見込み顧客との関係構築や購買促進につなげることが可能です。
企業がオウンドメディアを活用する目的とは
企業がオウンドメディアを活用する主な目的は、見込み顧客との関係構築、ブランド価値の向上、そして長期的な集客の確保です。広告などのペイドメディアに比べて即効性は劣りますが、オウンドメディアでの継続的なコンテンツ発信を通じて、ユーザーの信頼を獲得し、ロイヤルティを高めることができます。
また、オウンドメディアはSEO(検索エンジン最適化)にも強く、検索流入を通じて自然に見込み顧客を獲得することが可能です。ユーザーの課題に対して有益な情報を提供することで、購買や問い合わせといったコンバージョンにつながる接点を生み出せるのです。
このように、オウンドメディアは単なる情報発信の場ではなく、企業の中長期的なマーケティング戦略において、信頼構築・顧客育成・収益化といった複数の目的を果たす重要なツールと言えるでしょう。
オウンドメディアの主な効果・メリット5つ
オウンドメディアを制作・運用する主な効果やメリットとは何なのでしょうか。
1.見込み顧客との関係構築
オウンドメディアの効果のひとつに、「見込み顧客との関係構築」があります。価値あるコンテンツを継続的に発信することで、見込み顧客に自社を認知してもらうだけでなく、深い関心や信頼を育むことが可能です。特に、顧客が抱える課題や疑問に対して的確な情報を提供することで、潜在的な顧客との信頼関係を築き、長期的に良好なコミュニケーションを維持できます。
例えば、役立つノウハウ記事や専門的な解説を提供することで、見込み顧客は「この企業は信頼できる」と感じ、購買につながる可能性があります。また、継続的な情報発信により、顧客との接点を増やし、ブランドの認知度や好感度を高めることが可能です。
オウンドメディアによる見込み顧客との関係構築は、長期的な顧客育成と売上向上に直結する重要な施策と言えるでしょう。
2.検索エンジンからの集客
オウンドメディアは検索エンジンからの集客に効果的です。
ユーザーの検索意図に応える高品質なコンテンツを発信し続けることで、Googleなどの検索エンジンでの上位表示が期待できます。これにより、自然検索からのアクセスを増やすことができ、安定した集客基盤を築くことが可能です。
課題を持って検索するユーザーをオウンドメディアに集客することができるので、問い合わせや資料請求、商品の購入といった成約につながりやすいのも特徴です。特にBtoB分野においては、意思決定の初期段階で情報収集を行うユーザーに対して有益なコンテンツを提供することで、自社サービスへの関心を高め、リードの獲得へと結びつけることができます。
こうした検索エンジンからの継続的な集客は、広告に依存しないマーケティング基盤を構築するうえでも重要な役割を果たします。
3.ブランディングと信頼性の向上
オウンドメディアを運用することで、企業のブランディングやユーザーからの信頼性を高めることが可能です。
企業が自社の専門知識や独自の視点を継続的に発信することで、「信頼できる企業」「専門性が高い企業」といったポジティブなイメージをユーザーに与えることができます。こうした情報発信は、単に製品やサービスを紹介するだけでなく、企業の姿勢や価値観を伝える手段にもなります。
また、信頼性の高いコンテンツを蓄積していくことで、検索エンジンからの評価も高まり、より多くのユーザーにリーチすることが可能になります。その結果、ブランド認知の向上にもつながり、競合との差別化を図るうえでも大きな武器となります。
4.広告費削減と中長期的な費用対効果
オウンドメディアを活用することで、広告費を削減し、中長期的に高い費用対効果を得ることが可能です。
従来のリスティング広告やディスプレイ広告は、クリックごとに費用が発生し、継続的な出稿が必要なため、常にコストがかかり続けます。一方、オウンドメディアは、SEOに最適化されたコンテンツを継続的に蓄積していくことで、検索エンジン経由の自然流入を安定的に獲得でき、広告に依存しない集客が可能になります。
自然検索からのアクセスは、コンテンツの公開後も継続して効果を発揮するため、オウンドメディアは“資産型”のマーケティング施策として長期的に機能します。特に、ユーザーの検索意図に応える高品質なコンテンツは、検索順位の上位に表示され続ける可能性が高く、持続的な集客効果をもたらします。
このように、初期段階ではコンテンツ制作やSEO対策に一定のコストがかかるものの、中長期的には広告費の大幅な削減と、高い費用対効果を実現することができるでしょう。
5.採用活動への好影響
オウンドメディアの運用は、企業の採用活動において好影響を与える可能性があります。
オウンドメディアでは、企業の理念や社風、業務内容を発信できるため、企業理解を深めたうえで応募してくれる候補者を増やすことができます。単なる求人情報では伝えきれない企業の魅力やカルチャーを、記事や社員インタビューなどを通じて伝えることで、ミスマッチの少ない応募を促すことができるのです。
また、応募前に企業文化を理解してもらえるため、入社後のギャップを感じにくく、離職率の低下にもつながるでしょう。このように、オウンドメディアを通じて企業の情報を積極的に発信することは、採用活動における母集団の質を高め、結果としてより効果的で効率的な人材確保を実現する手段となるでしょう。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアを運営することで多くのメリットが得られますがデメリットもあります。
成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは、成果が出るまでに時間を要する施策です。主に検索エンジンからの自然流入を狙うため、Googleなどからの評価を受けて検索結果で上位表示されるまでに、一定の期間がかかるのが一般的です。
その評価を得るためには、コンテンツの継続的な蓄積と改善が欠かせません。SEOは短期的な効果を狙うものではなく、中長期的な視点で計画的に取り組むことが前提となるため、立ち上げ当初はなかなか成果を実感しにくいのが現実です。
短期間での成果を求める企業にとっては、「すぐに効果が出にくいこと」自体が大きなデメリットとなることがあります。オウンドメディアの成功には、長期的に集客力を育てていくという姿勢が不可欠です。
継続的なコンテンツ制作が必要
オウンドメディアでは、継続的なコンテンツ制作が不可欠です。一度立ち上げれば終わりというものではなく、効果を持続的に得るためには、定期的な記事の追加や既存コンテンツの更新を行う必要があります。
オウンドメディアは、検索エンジンからの評価を高めることで流入を増やす仕組みです。そのためには、一定の頻度で質の高いコンテンツを継続的に発信することが求められますし、コンテンツ作成などの費用がかかります。
特に、検索エンジンは「鮮度」や「信頼性」といった要素を評価指標として重視しています。情報が古く更新されていないメディアは、評価が下がり、検索順位の低下につながるリスクがあります。また、ユーザーのニーズや業界トレンドは日々変化しているため、情報のアップデートが欠かせません。
このように、オウンドメディアを継続的に成長させていくには、常に最新の情報を提供し続ける体制と、ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し続ける姿勢が重要です。
運用に専門知識やリソースが求められる
オウンドメディアを効果的に運用するためには、専門知識や十分なリソースが求められます。オウンドメディアの運営にはSEO対策、コンテンツ制作、アクセス解析、SNSとの連携、CMSの管理など、多岐にわたる専門スキルが必要になるからです。さらに、定期的な更新や改善を行うためには、記事の企画・執筆・編集を行う体制や、継続的にコンテンツを発信できるリソースの確保も求められます。
社内で兼任の担当者に任せてオウンドメディアを運用したものの、知識不足や時間の制約により更新が滞り、結果として検索順位が下がるということもあります。一方で、運用を専門会社に外注することで、戦略的なコンテンツ配信が実現し、リード獲得に成功することもあります。しかし外注にもコストや社内調整といった課題が伴うため、簡単な解決策とは言えません。
オウンドメディアの運用には多角的な専門知識と社内外のリソースを必要とするため、導入・継続には慎重な検討と体制づくりが不可欠です。
効果測定と改善に手間がかかる
オウンドメディアの運用には、効果測定と改善には多くの手間がかかるというデメリットがあります。オウンドメディアは「作って終わり」ではなく、公開したコンテンツの成果を継続的に分析し、改善していくことが求められます。
たとえば、アクセス数や滞在時間、コンバージョン率、検索順位などを定期的にチェックし、それぞれの数値に対して原因と対策を検討する必要があります。これにはGoogleアナリティクスやSearch Consoleといった分析ツールの知識や、仮説を立てて検証していくマーケティングの視点も不可欠です。
改善の結果を見ながら継続的にPDCAサイクルを回す必要があるため、手間や時間がかかる作業になります。一方で、効果測定を怠ると、どれだけコンテンツを制作しても成果につながらず、工数だけが無駄になる可能性もあるので注意が必要です。
炎上や情報の誤発信リスクがある
炎上や情報の誤発信といったリスクを抱える点も、オウンドメディアの大きなデメリットのひとつです。
オウンドメディアは企業自身が発信者となるため、情報の正確性や表現内容に対して常に高い責任が伴います。読者の価値観や社会情勢にそぐわない発言や、誤った情報を発信してしまうと、企業の信頼を損ねるだけでなく、SNSなどで批判が拡散し、大きな炎上につながる可能性もあります。
また、誤った情報を載せてしまい読者に誤解を与えてしまったことで、信頼回復に長い時間とコストを要する場合もあります。オウンドメディアは自由な情報発信ができる反面、炎上や誤情報といったリスクも伴うため、発信内容には細心の注意を払う必要があります。
オウンドメディアの効果が出るまでの期間
オウンドメディアは、制作し運用を開始してから効果が出るまでに一定の期間が必要です。
一般的に、オウンドメディアの効果が現れ始めるまでには、少なくとも6か月から1年程度の時間がかかるとされています。これは、SEOによる検索エンジンでの評価が安定するまでに一定の時間が必要であり、またユーザーの信頼を得てリピーターを増やしていくには継続的な情報発信が求められるためです。
特に新規ドメインの場合は、Googleからの評価がつくまでに時間がかかる傾向にあり、最初の数か月はアクセスが伸び悩むこともあります。しかし、定期的なコンテンツ更新や内部施策、SNSとの連携などを粘り強く行うことで、徐々に検索順位が向上し、問い合わせやCVといった成果が見えてくるようになります。
オウンドメディアは短期的な集客施策ではなく、中長期的なブランディングやリード獲得を目的とした戦略として取り組むことが重要です。焦らず着実に運用することで、安定した成果を見込めるようになります。
オウンドメディアの効果・メリットを高める方法
オウンドメディアの効果をさらに高めるために抑えておくべきポイントがあります。
顕在ニーズのキーワードを選定する
オウンドメディアの効果を高めるためには、顕在ニーズに対応したキーワードを選定することが重要です。
顕在ニーズとは、ユーザーが自覚している課題や欲求のことであり、「○○を比較したい」「○○を導入したい」など、すでに購買や問い合わせに近い段階の検索意図を指します。こうした顕在ニーズに基づいたキーワードを選定してコンテンツを作成することで、検索結果から流入してくるユーザーの質が高まり、コンバージョン率の向上につながります。
一方で、潜在ニーズに焦点を当てたキーワード(例:「オウンドメディアとは」「コンテンツマーケティングの基礎」など)は、啓蒙的な目的では有効ですが、すぐに成果につながる可能性は低くなります。だからこそ、限られたリソースで効率よく効果を出すためには、まず顕在ニーズに合わせたキーワードに注力するのが効果的なのです。
コンバージョン導線を最適化する
オウンドメディアの効果を最大化するためには、コンテンツを読んだユーザーが自然に次のアクションへ進めるよう、コンバージョン導線を最適化することが不可欠です。どれだけアクセスを集めても、問い合わせや資料請求、購入といった具体的な行動に結びつかなければ、ビジネス成果にはつながりません。
そのため、記事内には「関連資料のダウンロード」「無料相談へのリンク」「導入事例や関連記事への誘導」など、ユーザーの興味・関心や検討段階に応じた適切な導線を設計することが重要です。ユーザーが迷わず行動できるように、各ページで的確なアクションを提示しましょう。
さらに、検索エンジンはユーザーの検索意図に合致したコンテンツを評価するだけでなく、滞在時間や回遊率、コンバージョン率といった行動データも評価指標として重視しています。つまり、ユーザーがページ訪問後にどのような行動を取るかが、サイト全体のSEO評価にも大きく影響を与えるのです。
コンバージョン導線の最適化は、単に成果を高めるための施策であると同時に、SEO強化にもつながる重要な取り組みといえます。
ターゲット設定とペルソナ設計の明確化
オウンドメディアの効果を高めるためには、誰に向けて情報を発信するのかを明確にし、その人物像を具体的に設計することが重要です。ターゲットが曖昧なままでは、記事の内容やトーンがぶれてしまい、結果として誰にも刺さらないコンテンツになってしまうリスクがあります。
ターゲット設定では、業種・職種・役職・企業規模・課題などを軸に、自社の製品やサービスに関心を持ちうるユーザー層を絞り込みます。その上で、より具体的な人物像としてペルソナを設計します。ペルソナには、年齢、役職、抱えている悩み、よく使うメディア、意思決定プロセスなどを細かく設定することで、コンテンツの方向性や語り口が明確になります。
ターゲット設定とペルソナ設計を明確に行うことで、読者に深く響くコンテンツを制作することができ、オウンドメディアのエンゲージメントやコンバージョン率の向上にもつながるでしょう。
SNSとの連携でリーチを拡大
オウンドメディアの効果やメリットを高めるためには、SNSと連携をして記事やコンテンツの露出を増やし、より多くのターゲットに届けることも有効です。検索エンジン経由の流入だけでは、成果が出るまでに時間がかかる場合もあるため、SNSを活用して初期段階からアクセスを呼び込むのです。
SNSは拡散性が高く、ユーザーとの距離が近いため、オウンドメディアのコンテンツを効率よく広められます。Twitter(現X)では速報性や話題性の高い記事、LinkedInではBtoB向けの専門性の高いコンテンツ、Instagramではビジュアル訴求力のある情報など、各SNSの特性に合わせた投稿がリーチ拡大に寄与します。
また、SNSでの反応やコメントを通じて読者の関心やニーズを把握できるため、今後のコンテンツ企画にも役立つはずです。継続的なSNS運用と連携によって、オウンドメディアの成長スピードを大きく加速させることができるでしょう。
継続的なコンテンツ更新と改善
上でも説明しましたが、オウンドメディアの効果を持続的に高めていくためには、継続的なコンテンツの更新と既存記事の改善を繰り返すことが大事です。一度作ったコンテンツを放置していては、検索エンジンからの評価が下がるだけでなく、ユーザーにとっても古い情報となり、信頼性を損なう可能性があります。
検索エンジンは、最新かつ信頼性の高い情報を優先して評価する傾向があるため、定期的に新しい記事を追加することに加えて、既存記事もアップデートして鮮度を保つことが重要です。たとえば、制度の変更や市場のトレンドに応じて内容を修正したり、検索ニーズの変化に合わせてタイトルや見出し、構成を見直したりすることで、検索順位の維持・向上が期待できるでしょう。
また、Googleアナリティクスやサーチコンソールなどのツールを活用して、アクセス数や直帰率、滞在時間、検索クエリなどを分析し、どのコンテンツが成果につながっているか、逆に改善が必要かを把握することも大切です。こうしたデータに基づいた改善を繰り返すことで、効率よくメディア全体の価値を高めることができます。
他のマーケティング施策との効果・メリットの比較
オウンドメディアの効果は、ほかのマーケティング施策と比較するとどのようなものなのでしょうか。
オウンドメディアとペイドメディア(広告)の違い
オウンドメディアとペイドメディア(広告)は、どちらも集客や認知拡大に活用される手法ですが、効果の出方やコスト構造、長期的な資産価値において大きく異なります。
ペイドメディアは、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告など「掲載枠を買う施策」であり、即効性が高く、短期間でのアクセス獲得に向いています。ただし、出稿を停止すると効果も途切れ、クリック単価の上昇や予算負担など、継続性には課題があります。
一方、オウンドメディアは自社が保有する資産として、コンテンツが検索エンジンに評価されることで継続的かつ安定的な集客が可能な施策です。成果が出るまでに時間はかかりますが、軌道に乗れば広告費をかけずに自然流入を得られ、費用対効果に優れています。
オウンドメディアとアーンドメディア(SNS・口コミ)の違い
オウンドメディアとアーンドメディアは、いずれも認知拡大やブランド形成に寄与しますが、情報のコントロール性や信頼の得方に違いがあります。
オウンドメディアは、自社で管理・運営するメディアであるため、掲載する情報の内容・表現・タイミングをすべてコントロールできるのが強みです。専門性やサービスの魅力を深く伝えるコンテンツを計画的に発信できるため、ブランド価値の訴求やリード獲得に効果的です。
一方、アーンドメディアはSNS上でのシェアや口コミ、レビュー、第三者による記事など、自社が直接管理できませんが、ユーザーや第三者からのポジティブな反応は高い信頼性を生み、短期間で話題性を得ることが可能です。ただし、情報の拡散はコントロールが難しく、ネガティブな意見が広がるリスクもあります。
施策同士の組み合わせによる相乗効果
オウンドメディアは、単体で成果を出すことも可能ですが、他のマーケティング施策と組み合わせることで、より高い効果を発揮します。
たとえば、リスティング広告やSNS広告で自社のWebサイトへの流入を促し、そこでオウンドメディアの記事を読ませることで、ユーザーの興味・関心を深めることができます。また、メールマーケティングと連携すれば、メルマガ内でオウンドメディアの記事を紹介し、既存顧客との関係性を維持・強化する施策としても有効です。
また、オウンドメディアは広報活動やブランディング施策とも親和性が高く、企業の専門性や信頼性を訴求するメディアとしても機能します。プレスリリースやキャンペーン情報を記事化して発信することで、認知度向上と同時にSEO効果も期待できる点が魅力です。
オウンドメディアの効果測定
オウンドメディアによってどのような効果が出ているかを知るには、正しい測定方法を知らなくてはなりません。ここではそれらを解説します。
KPIの設定方法
オウンドメディアの効果を正しく測定するには、目的に応じたKPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。KPIを設定することで、オウンドメディアがどの程度成果を上げているか、運営の方針が間違っていないかを明確に数値で判断でき、改善や戦略の見直しにつなげやすくなります。
「認知拡大」「リード獲得」「関係構築」など目的ごとにKPIを定めておくことで、目指す成果に対して的確なデータを収集・分析できるようになります。これにより、成果が出ていない場合もどの部分に課題があるかを特定しやすく、PDCAを回して効果的な運用を継続できるのです。
効果測定で見るべき基本指標
オウンドメディアの効果を正しく把握するには、見るべき指標を継続的に確認することが重要です。
まず注目すべきは検索順位です。検索エンジンからの流入を増やすには、ユーザーが検索した際に記事が上位に表示される必要があります。検索順位が低いとユーザーの目に留まらず、結果としてアクセスにはつながりません。どれほど内容が優れていても、検索結果の下位に表示されていては見てもらう機会が大きく減ってしまうのです。そのため、狙ったキーワードでの検索順位を定期的に確認し、改善を図ることが重要です。
次に、セッション数やユーザー数、ページビュー数を確認することで、どれだけの訪問があったか、集客の状況を把握できます。また、直帰率や平均滞在時間といった指標を見ることで、ユーザーの関心度や導線設計の課題が見えてきます。加えて、資料請求や問い合わせなどのコンバージョン数やCV率を追うことで、オウンドメディアが実際の成果に結びついているかを判断できます。
CV数・率の確認と改善
オウンドメディアにおいては、CV数・率の確認と改善が重要です。オウンドメディアの最終的な目的はビジネス成果につなげることなので、CVの確認が大事なのです。どれだけアクセス数や閲覧数が多くても、資料請求やお問い合わせ、会員登録などのコンバージョンにつながっていなければ、事業への貢献度は限定的となってしまうでしょう。
そのため、CV数やCV率を定期的に確認し、どのコンテンツや流入経路が成果につながっているのかを把握することが欠かせません。効果の高い記事には、他のページからの内部リンクを強化するなど、CVにつなげる導線を意識的に設計することが求められます。
また、CTAの文言や配置、フォームの使いやすさといった細かな要素もCV率に大きく影響します。ヒートマップやユーザー行動の分析ツールを活用すれば、離脱ポイントや改善すべき導線の問題も可視化できます。
オウンドメディアの効果事例
オウンドメディアを運営することでどのような効果が出たのかという事例を紹介します。
中小企業が低コストで成果を出した事例
CINACAでは、株式会社ビーモーションのオウンドメディアの制作と運用を支援しました。月に3記事ずつ作成していくことで、1年半で月間約10,000セッションを達成するまでになりました。
オウンドメディア支援では、まずターゲットの顕在ユーザーに刺さるキーワードを厳選。その後、AIサービスの強みや導入メリットを打ち出す構成に刷新し、定期的な高品質記事を配信しました。
施策開始前は、月間セッション数が100程度の水準でしたが、1年半後には月間約10,000セッションを達成。その成果として、月間20件前後の問い合わせを安定して達成。導入検討企業との商談機会が継続的に確保され、オウンドメディア運用コストを大幅に上回る費用対効果を実現しています。
中小企業のオウンドメディア活用に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
改善によるリード獲得成功事例
株式会社ベーシックは、リード獲得と検索流入の向上を目指してオウンドメディアである「One Tip」を運用しています。
月に10本以上の新規記事作成するとともに、既存記事を定期的にリライトを行っています。内部リンクの最適化、潜在層向けキーワードの拡充も行うことでより多くの検索ニーズを取り込む体制を構築しました。
また、記事に関連するホワイトペーパーのダウンロードを促すポップアップや、顕在層向けコンテンツへの内部リンクを設置することで、記事閲覧後のリード転換を促進。こうした施策により、1年間でオウンドメディア経由のセッション数は約2.5倍、リード獲得数は約1.75倍に増加する成果を上げました。
オウンドメディア経由で採用成功に繋がった事例
メルカリは、エンジニアやプロダクト職の採用強化を目的に、オウンドメディア「メルカン」や「mercari engineering blog」を積極的に活用しました。
従来の求人情報だけでは伝えきれない社内カルチャーや技術的挑戦、社員のリアルな声を記事として発信することで、候補者に具体的な働くイメージを持たせることに成功しました。特に、メンバーのインタビューや開発環境の紹介、チームの雰囲気などをオープンに伝えることで、「共感できる企業」としての印象を強化。
結果的に、カルチャーフィットする優秀な人材の応募が増加し、採用効率の向上につながりました。また、オウンドメディアを通じて情報発信の主体を自社に置くことで、長期的なブランディング効果も生まれています。
まとめ:オウンドメディアの効果を最大化するために
オウンドメディアによって、自社の価値を正しく伝え、見込み顧客や求職者との信頼関係を構築することが可能です。検索エンジンからの安定的な流入を獲得し、広告費に依存しない中長期的な集客基盤を築けるだけでなく、継続的なコンテンツ発信を通じてブランド価値の向上や採用活動の質的改善にもつながります。
ただし、成果を最大化するには、動線設計やキーワードの選定、コンテンツ作成などのノウハウが必要になります。
CINACAでは、戦略設計からキーワード選定、コンテンツ制作、効果検証・改善まで一貫して支援し、成果につながるオウンドメディア運用を実現します。SEOやCV導線の最適化、採用強化に向けた情報発信など、目的に応じた施策をご提案しますので、「運用しているが成果が出ていない」「これから始めたいが不安がある」といった方もぜひご相談ください。
サービス紹介

アルゴリズムに適した効果的な施策を提案
自然検索からの流入を最大化します。 基本的な施策だけでなく、最新の検索エンジンのアルゴリズムに則した提案をします。 10年以上対策を行ってきた豊富な経験から、独自の施策で課題を解決します。

SEOに効果的なライティングを提供
Webコンテンツではテキストが重要となります。中身のないコンテンツではアクセスと問い合わせを得られません。SEOに準拠したライティングを行うことでアクセスを集めながら、コンバージョンを得られるコンテンツを作成いたします。